Marushin Model Gun
偶然の出会いだった。休日に出かけた際、パ○コの中に入っているホビーショップ、ポ○トホビーで嫁の買い物の間の時間潰しをしていました。リアルなミニカーや電動ガン、ガスブローバックガン、プラモデルや食玩等さまざまな商品が私を誘惑します。最近、店頭でお目にかかれない東京マルイの「造るモデルガン」なんかあったりして・・・?なんてことを思いながらブラブラとしていました。ガン関係はすべてカウンターになっているガラスケースとカウンターの後の壁に飾られ、店員さんに声をかけないと見れない状態になっていました。まぁ、モノがモノだけに当然のことです。そんなガラスケースを眺めていた時、店員さんが来ました。笑顔です。私に声をかけようとした時、他のお客さんからレジをお願いされ、何か言いたそうな顔をしてレジに向かいました。立ち去った店員さんがいた場所からふと目を下ろすとどこかで見たような赤い箱が棚の一番下の隅っこに置いてありました。凝視する私。そこには「マルシン」のロゴと「Colt25 Auto」の文字。目を疑う私。何度見ても「Colt25 Auto」。しかも組み立てキットのモデルガンです。この1年程、再販される見込みのないこのColt25 Autoをどうやって入手しようかといろいろ考えていたものです。そのブツが今、まさに目の前にあるのです。モデルガン専門のショップでは完成品で良好な状態だとプレミア価格で¥15000−とか¥20000−とか凄まじい価格で取引されている逸品です。某Y!オークションも頻繁にチェックしていましたが、出品はされるものの、高い落札価格だったり状態が悪いものだったり、なかなか思うようにいかない状態でした。戻ってきた店員さんに早速尋ねます。
ぼ「(指差しながら)アレって売り物っすか?」
店員さん「(振り向きながら)え?どれですか?」
ぼ「そこの隅っこにあるコルト25オート。」
店員さん「あぁ、これですか?売り物ですよ。組み立て式のモデルガンです。」
ぼ「えぇ、ちょっと見せてもらおうか。」
店員さん「あ、はい。」
積み重なったガスブローバックガンの箱の一番下からソレを引っ張り出す店員さん。カウンターに置かれたソレは相当長い間在庫だったようで箱の隅々が傷み、セロテープを貼った後が数か所。一番下に長い間置かれていたことがすぐに解かるくらい潰れかけた箱を開けてみると・・・。
ぼ「(心の中で)シルバーか・・・。しかし、今、色などどうでも良いではないか!?コルト25オートが普通の価格で買えるんだぞ!!しかも中身はまったく損傷を受けてはいないようだ。買いだろ!!」
ぼ「これください。」
店員さん「あ、解かりました。」
店員さんからしてみれば、こんな古びた長期在庫をホントに買うのか!?といった感じだろう。少し値引きされていた為、¥6000−チョボチョボで購入。定価¥6800−(税抜き)だから決して損な買い物ではない。モデルガンショップのあの価格での取引状況から考えるとむしろ破格での入手となる。現代の相場の1/3ほどの価格で購入できたのだから。おまけに造る楽しみまで付いてきた訳だ。最高である。

ということでマルシン社製組み立てキットのモデルガン第2弾はこの「Colt .25 Auto」。今回はシルバーモデルの為、外観に手を加えることは遠慮したい。したがってキット内容そのままでの組み立てとなる。ABS製ブラックやヘビーウエイト樹脂製等だったら存分に塗装やブルーイングを施していたところだが、シルバータイプではメッキの色合いが手を加えたところだけ変わってしまう。したがって外から見える部分に手を加えることができないのだ。が、幸い、マルシン社製のシルバーモデルは全般にとても美しくメッキされ、指紋などをキレイにふき取ると顔が写るくらいの艶だ。本来、私はシルバーモデルの銃はあまり好まないのだが、今回はシルバーの美しさに十分満足できてしまった。購入後、嫁とおち合い、帰宅する。その車中・・・。
嫁「何買ったのよ。」
ぼ「・・・いろいろと事情ってもんがあってな。」
気まずい雰囲気のまま家にたどり着く。早速、箱を開け、内容を確認する。店頭でざっと見てはいるが、やはりこれから組み立てるブツをじっくり確かめたいものだ。
嫁「やっぱりまた買ってきた!!」
ぼ「これはな、今では絶版で・・・」
嫁「あ、そう。」
やはり気まずい。しかし今の私にその場の空気等関係無かった。念願のモデルガンを普通の価格で入手できたこと、そしてそれを自らの手で組み立てることができることが何よりも嬉しい。男とはいくつになってもそういうものだ、と嫁を玉砕する。一心不乱に各パーツや説明書を広げる私。もう完全に自分の世界に閉じこもっていた。

このモデルは実に小さい。パーツ点数は少ないが、細かい作業が多い。ただ、難しい訳ではなく、細かいながらも組み立て易いよう説明書も解かり易く書かれているし、構造もそうなっている。だからプラモデルを組み立てる気分で気軽に作れるモデルガンだ。前回のモデル2アーミーもそうだったが、マルシン社製の組み立てキットはその辺の配慮が実にしっかりとなされている。初心者の方にも理解しやすいように実寸大のピンやスプリングのイラストが表記されていたり、専用工具が同梱されていたりと親切極まりない。組み立てに入るが、今回のこのコルト25オート、当たり個体だったのか、パーツにバリが全然無い。通常は必ずバリがあり、それを丁寧に削り、動きをスムーズにしたり、見た目を良くしたりするものだが、今回はまったくそれをする必要が無いくらいキレイにバリが無い。クセになっているので一応各パーツの擦り合わせ部分や可動部分は滑らかにしたが、間違い無くそのままでも一切問題は無かっただろう。

感心したのはその構造だ。ABS樹脂製のこのモデルはヘビーウエイト製に比べて粘りのある素材で強度も勝るのだが、にもかかわらずフレームの中にさらに金属製のサブフレームが組み込まれる。この構造を見るととても壊れそうにない、丈夫なモデルガンであることが解かる。同社製PPK/Sの際は各部の調整をしまくったものだが、このコルト25オートではそれが必要無い。組み立てていく過程でもすべてのパーツが実にスムーズに可動していた。唯一、ひとクセある部分がPPK/S同様マガジンキャッチだ。同社製モデルガンは皆マガジンキャッチに悩まされるのだろうか。しっかりキャッチさせるにはコツがいる。ここはいずれ対処しなければならない。あとはまったく問題無く組み立てることができた。1時間もかからない組み立て行程は実に楽しく、こんな短時間で完成してしまうのがもったいないとさえ思えてくる。簡単に組み上がるからといってチャチとかというものでもない。シングルアクションオンリーのこのガンはハンマーを起こし(もしくはスライドを引き)、トリガーを引いて撃つ。この一連の動作に関わるパーツがすべて金属製であり、ハンマーは「チッチッ!!」と2段階の金属音が心地よく響く。トリガーを引けばやはり金属音の「カチッ!!」というしっかりした音を発する。しかもその動作はなかなかしっかりとした手ごたえで、精密な機械加工品のようである。クルマのバルブとロッカーアーム、カムシャフトの動きのようにコンマ何mmのクリアランスが作動音を変えてしまうような感じである。この小さなフレームの中でよくもまぁ、これだけの精度でこれだけのリアルな作動をさせたものだと感動してしまった。

出来上がって、空のカートリッジをマガジンに装填して廃挟を試してみるが、小気味よくポンポンとカートリッジが飛び出してくる。もう「見事」としか言い様が無い。もっと大きなサイズのモデルガンでさえまともに作動させるのに大変な労力を必要とするものもたくさんあるというのに、このコルト25オートはほとんど素組み状態でこれだけのポテンシャルを秘めているのだ。改めてマルシン社の製品の素晴らしさを目の当たりにした。プレミアも付く訳だと納得してしまう。もし、このレポートを読んでマルシン社製コルト25オートを「良い」と思って入手した方がいたならば、かなりの確率で快調な作動がすぐに楽しめるだろう。私はこれまで紹介してきたモデルガンの中では最高傑作ではないかと思っている。発火はしていないが、これだけ信頼感を感じるモデルガンは人の物を含めてもこれまで見たことがない。木箱でも作って大切に保管しておきたくなるモデルガンである。嫁の顔色を覗いつつ布でいつも磨いている。嫁よ、女には理解できない「男の習性」というものがあるのだ。