中野自動車映画倶楽部
その時その時で話題になっている映画を。
Caution
※このページは中野自動車映画倶楽部員が内輪で楽しむ為に作られたページです。ネタバレしている内容も含んでいますので映画を観てないがこれから観たいという方は読まない方が良いと思います。
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七人の侍
★この飯、疎かには食わんぞ★

今さら言うまでもない程の日本映画の頂点に君臨し続ける超大作。世界中で語り継がれ、見つづけられ、誰もが絶賛する黒澤映画。戦国時代の貧しい農村を舞台に、野武士の襲撃に立ち向かう為に雇われた七人の侍と農民たちの活劇だ。侍のリーダー格、勘兵衛の人柄に惹かれた侍たちが次々と集まり、農村へ向かう。侍たちはそれぞれに個性が際立ち、存分にその個性をもって活躍する。勘兵衛、五郎兵衛、七郎次、平八、勝四郎、久蔵、菊千代の七人の侍と利吉、与平、茂助らの農民たちがギクシャクしながらもさまざまな人間臭さとただ1つの目的である「打倒野武士」に向けた行動等3時間を越える長編でありながら全編がみどころと言える程観る者を飽きさせない。菊千代(三船敏郎)の生い立ちや勝四郎の恋、久蔵の強烈な強さ等勘兵衛を取り巻く侍たちの数々のエピソードがすべてみどころとなっている。

コメ・・・盗まれただぁ・・・

村を発ち、侍探しに出かけた利吉、与平、茂助、万蔵の4人の百姓たち。勘兵衛に出会い、野武士退治をなんとか引き受けてもらえることになった。勝四郎、五郎兵衛、七郎次、平八と次々と仲間が増える。その侍たちの為に村から持ってきたコメを盗まれた時与平(左ト全)が弱々しく口にするセリフがこれだ。与平は全編に渡っておとぼけ役で、和ませてくれる。こういう脇役がいるからこそ侍たちの活躍が際立つというものだ。私はこの与平が大好きである。

1度でもこの映画を観た者なら誰でも解かると思うが、40人もの野武士の群れを相手に戦う侍たちは最後の決戦まで終始笑顔が絶えない。和やかで、余裕で、しかし締めるところは締める。まさに武士道を極めた者の真の強さを表現しているのである。しかめっ面して燃える闘志を剥き出しにした侍だけが強い侍ではないのだ。内に秘めた本当の強さ、たくましさ、男らしさが彼らの笑顔から自然に伝わってくる。

残るは十三騎!!今度は全部村へ入れる!!

最後の決戦。どしゃ降りの雨の中での壮絶な戦いだ。すでに平八、五郎兵衛を失い、5人となった侍たちの表情にそれまでの笑顔はない。引き締まった男の表情だ。このシーンは何台ものカメラを村中に配し、ワンカットで撮影されている。それぞれのカメラが捉えた映像を繋いで完成させている。つまり、決戦が始まり、終わるまでを1発で演じ抜いているのだ。想像を越える過酷さだ。降り続く雨は人工的に降らせたもの。地面はぬかるみ、馬が走ると大量の泥を跳ね上げる。それを追いまわす侍、百姓たちは泥まみれだ。これほどの迫力を演技で見せ付けられるのは後にも先にもこの「七人の侍」しかないだろう。最近の映画での迫力というものはやはりどこか「作られた」迫力であり、CGでなんでもできる時代にどんな危機迫るシーンを作ったとしてもこの決戦のシーンを越える迫力はだせるものではない。

世界中の人々の絶賛を受け、今でも見続けられる「七人の侍」。白黒の映像がこんなにも美しく、自在に撮れるのはやはり黒澤監督以外にはいないだろう。私はここに紹介する映画の中で最もすばらしい映画だと思う。「七人の侍」を超える映画はこの先も生まれることは無いだろう。

 勘兵衛 : 侍のリーダー格。個性際立つ侍たちをまとめ、百姓たちの先頭に立ち野武士を迎え撃つ。穏やかで経験豊富な男。
 勝四郎 : 若くこれから経験を積んでいく侍。勘兵衛の凄さに感化され、弟子入りを申し出る。百姓の娘「志乃」との恋も。
 五郎兵衛 : 勘兵衛の人柄に惹かれて野武士退治に加わる。いつでも余裕があり、侍たちの中でもとくに最前線で冷静な判断ができる男。平八を仲間に加えるのは五郎兵衛。
 平八 : 劇中、登場する「旗」を作る。○X6 △ た の旗は最後の決戦において、象徴的な小道具。正直者で力持ち、辛い時には重宝な男と言われるが・・・。
 久蔵 : 剣の達人。無口で己を鍛え上げることだけに徹した根性男。勝四郎が最も信頼を置く人物。私は久蔵が一番好き。
 七郎次 : 勘兵衛の古女房といわれる戦仲間。負け戦で生き別れ、偶然出会い仲間になる。戦術を熟知しており、百姓たちをまとめる重要な役割。
 菊千代 : 強烈な個性で暴れ回る。もともと侍ではなく百姓の出身。ゆえに百姓たちの気持ちがよく解かる。面倒見が良い意外な一面も。

●DVD●
¥8400− 東宝
幸福の黄色いハンカチ
★勇さん、行こうや!夕張!!★

日本人なら誰もが1度は聞いたことのあるタイトル「幸福の黄色いハンカチ」。まだ東映の社員として任侠映画ばかりに出演していた高倉健様が東映を退社して新しいジャンルを模索していた時に山田洋次監督から声をかけられ出演した作品だ。それまでの高倉健像とは明らかに違う姿がそこにはある。海援隊でデビューはしていたもののヒットに恵まれず悩んでいた武田鉄矢が初めて出演した映画でもある。武田鉄矢は初出演でいきなり高倉健、倍賞千恵子、桃井かおり、渥美清らと共演したんだからなんともラッキーな話だ。

話は花田欽也(武田鉄矢)の自室から始まる。なんとも陰気臭い部屋で欽也が泣いている。背後には手紙が落ちている。好きだった伸子(シンコと読む)にフラれたのだ。そのショックから仕事を辞め、退職金でクルマを買い、北海道へ傷心旅行に出かける。この時購入するクルマがマツダのファミリアだ。作品中でも宣伝はばっちりされていて、当時CMで流れていたトランザムの「スニーカーに履き替えて」がしっかり使われている。

聞いてごらんよ、風の歌を
キミの心に響いてくるよ
光のしぶき振りまいて
嬉しい予感してきたら
スニーカーに履き替えて
スニーカーに履き替えて
さぁ出かけようファミリア〜♪

試乗している欽也のクルマのラジオから流れてくる。窓ガラスには「花田欽也様」と書かれた売約済みの札が貼り付けられている。試乗が終わってディーラーに帰ってきたファミリアのドアが開くと同時にドア下部分にカメラがズームインすると欽也のゲタがカランと落ちてきて裸足の欽也の足が無造作にそのゲタに収まっていく。なにもこんなとこにズームインしなくても・・・。

やっぱ、ギヤ硬めだね!

北海道に着いた欽也は独自の不思議なノリでクルマを走らせる。前にノロノロ走るセリカの中で男女がイチャイチャしていればいきなりクラクションを鳴らしまくり「さっさと飛ばせ、このイモ野郎が!!」と追い越しにかかる。抜き去り際に「しっかり楽しめお二人さん!!」と捨て台詞を吐いていく。缶ジュースを開ければ中身がプシュ!!っと吹き出し「うわぁ!バカ!ナメやがってこの野郎!!」と缶ジュースにつっこんでみる。網走の駅では観光旅行の女2人組みをナンパしようとするがあきらかにダサダサ。クルマに寄りかかって「乗ってかない?俺のクルマ。ねぇ、乗ってかない?俺のクルマ!!」。逃げられると「スカすんじゃないよ!百姓がよぉ〜!!」とすぐに捨て台詞。まぁこの直後に小川朱美(桃井かおり)と出会うことになる。この朱美がまた強烈にダサい。白フチの巨大なサングラスにオーバーオール等信じられないセンスだ。2人が入った定食屋ではやっと島勇作(高倉健)と遭遇するが出所間もない勇作は数年ぶりのビールやしょうゆラーメン、かつ丼の味に酔いしれている。欽也と朱美の明らかにおかしい2人には目もくれない。一緒に旅をするきっかけはその後海辺で再び出会った時に訪れる。ここから3人の旅が始まる訳だが中盤に勇作の過去が暴かれるまでは終始コメディだ。任侠映画では絶対観ることのできない健さんの笑顔がしばしば観れる。1泊した3人が駅前でかにを食べるシーンがあるが、欽也のバカトーク炸裂に耐え切れない勇作が見せる笑顔、そのかにに当たって腹を下し、野糞する欽也につっこむ勇作、それでも下痢が止まらず民家でトイレを借りて戻ってきた欽也が自分のクルマが脱輪しているのを見て「またクソしたくなってきた・・・」に思わず吹き出してしまう勇作の笑顔・・・こんなに笑う健さんを未だかつて見たことがあっただろうか!?極めつけは光枝(倍賞千恵子)との生活の回想シーンで「こどもが出来たらなぁ、その竿にこぉ〜んなでっかい鯉のぼり付けてやるよ!!」と言って微笑みかける勇作の笑顔は現在のジャニーズ系アイドルでもかなわないさわやかさ炸裂の笑顔の健さんだ。

昼でしょ?だからこれみんなで食べようと思って・・・。かにです・・・。大丈夫です・・・これ。

中盤、欽也の失態で勇作が運転するが、途中で検問に遭遇して勇作が警察署に連行される。ここで登場する渡辺係長が渥美清だ。警官の制服は着ているもののノリはまさに寅さんそのものだ。この直後からコメディ路線は完全に無くなってしまう。勇作がなぜ刑務所に入っていたのか、妻光枝との生活等回想シーンが続く。

おい、光枝!!今夜一杯やらないかんな!!

宿の1室でそんな勇作の話を聞いている欽也と朱美。次の日、札幌へ向かう途中で立ち寄ったドライブインで勇作からさらに聞かされる。

勇作「未練がましいようだけど、出所してすぐはがきを出したんだ。もし・・・今も1人で俺を待っててくれるんだったら・・・庭の竿に・・・ウチの庭に、前に住んでた人が立てた鯉のぼりの竿があるんだけどな、その竿に黄色いハンカチを吊るしておいてくれ。それが目印だ。もし、ハンカチが無かったら俺は2度と現れないから・・・。なんか・・・そんなふうなことな・・・。」
欽也「勇さん、行こうや!夕張!!」
朱美「行こう!!」

もしハンカチが無かったら・・・。葛藤と戦いながら夕張へ向かう3人。

俺にはこの女しかいない。そう思ってから口聞くまでに半年もかかってなぁ・・・。

●DVD●

¥3990− 松竹

山猫は眠らない
★ワンショット・ワンキル★

気配を感じさせずチャンスを待ち、わずかの瞬間を逃さず敵を撃つ。静かに戦う狙撃兵、それがスナイパーだ。スナイパーをテーマにした映画は意外と少ない。ド派手なアクションが好まれる現代の映画事情でこういう動きの少ない地味な戦いを題材にすることは難しいのだろう・・・。そんな時代であっても中野自動車映画倶楽部において「山猫は眠らない」はバイブル的な映画として不動の地位を確立している。なぜか・・・。

アメリカ海兵隊のスナイパー、トーマスベケット上級曹長(トム・ベレンジャー)の「ウォー・ジャンキー(戦争中毒)」ぶりは男気炸裂である。トム・ベレンジャーは「プラトーン」、「メジャー・リーグ」等で有名だが、そんなヒット作よりもすばらしい軍事俳優ぶりを見せてくれる。

ミラー「ここで寝るのか?」
ベケット「この淀みなら安心だ。ヒルにマラリア、ここに潜んでいるとは思われない。」
ベケット「小便はするなよ。ムスコから入り込んでくる。」

ミラー「おれを餌に使ったな!?」
ベケット「危険は無かったさ。」

また、ベケットの補佐を勤めることになるリチャード・ミラー大尉(ビリー・ゼイン)も良い味を出している。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズ、「メンフィス・ベル」、「タイタニック」等に出演しているビリー・ゼイン。オリンピックの射撃で銀メダルを取った経歴のミラー大尉がまったく経験の無いジャングルでのミッションに戸惑い、ベケットに文句タラタラたれながらついて行く・・・。なんとも情けない大尉を完璧に演じている。ちなみにこのビリー・ゼイン、「タイタニック」ではローズのフィアンセ、キャル・ホックリー役を演じて全世界の女性を敵にまわした。で、「山猫は眠らない」だ。そのビリー・ゼインが最後には自分のせいで捕らえられたベケットを1人で救い出す。ベケットが捕らわれる時に残していった、たった1発の銃弾で。この時、ミラーに助けられたことをベケットは11年後の「山猫は眠らない2」でほんの少しだけ語っている。ちなみに「山猫は眠らない2」にはミラー大尉は登場しない。

ベケット、故郷が待ってる。

使用されている銃の紹介

ベケット … レミントン M40A1
ミラー … H&K(ヘッケラー&コック) G3−SG1(1部PSG−1のパーツを使用)
デシルバ … AK47 ドラグノフ

★退役前の階級をくれ★

で、「山猫は眠らない2」だ。あれから11年。ベケットはすでに軍を退役していたが、軍とCIAの共同極秘任務のため軍に戻ることになる。この任務でチームを組むのはジェイク・コール死刑囚(ボキーム・ウッドバイン)。ジェイクにはこの任務が完了すれば自由の身が待っている。訳有りの2人が任務遂行の地セルビアへ送られる。現地の情報員ソフィア(なぜかとても美しい)から情報を聞き、ターゲットを狙撃する。任務を終えた2人は街を脱出するために逃げ回るがジェイクが捕らえられてしまう。捕らえられたジェイクを助ける為に脱出せずに残ったベケットはまだ終わっていない任務のためにわざと捕らえられたことを知る。ジェイクを助け、一緒に脱出をしようとするベケットはソフィアの協力を得てジェイクが護送されるところを襲う・・・。という感じの内容。前作と比べると静かな緊迫感が減って派手なアクションが増えた感じ。正直、もうちょっとスナイピングシーンを多くして欲しかった・・・。スナイパーの任務に派手な爆破シーンはいらないんだけど・・・。これも時代の流れとして受け入れてはいるが・・・。

自由だ・・・。

ベケットのウォー・ジャンキーぶり、ミラーの男へ成長していく様が中野自動車映画倶楽部のバイブルとなっているのだ。

★昔はな・・・★
さらに「山猫は眠らない3」まで出てしまった。「決別の照準」のサブタイトル通り、戦友であり、ベケットの命の恩人である男が今回の標的(ターゲット)だ。舞台はベトナム。若い頃、ベトナム戦争でベトコンの猛攻撃を受けながらも戦友に助けられ帰還したベケット。その戦友はベトナムで死亡していたハズだった。時は経ち、ベケットに与えられた任務。それはベトナムとカンボジアの国境付近に展開する麻薬、武器の密売組織の首領の抹殺だった。標的の写真を見せられたベケットは愕然とする。死んでいたハズの戦友が生きて、しかも自分の任務の標的となっていたのだ。ベトナムに潜入するベケットを待ち受けていたのは狙撃の失敗だった。だれにも負けない狙撃の腕を持つベケットの失敗。彼は標的を消すことができるのか!?命の恩人を狙撃することができるのか!?初めてベケットの内面に触れる今作。運命に踊らされる2人の男の勝負を描く作品だ。

ベケット、あんた凄腕だよ。 〜 昔はな・・・。

●DVD●

「山猫は眠らない」 ¥4935− ジェネオン・エンターテインメント
「山猫は眠らない2〜狙撃手の掟」 ¥3990− ソニー・ピクチャーズ
「山猫は眠らない3〜決別の照準」 ¥3990− ソニー・ピクチャーズ
宣戦布告
★日本映画でもここまで面白くできる!★

我が中野自動車映画倶楽部でも最高レベルに評価の高い名優、夏八木勲がすばらしい。瀬川守良内閣情報調査室長(夏八木勲)の冷静かつ完璧な先読み判断がいい。寺崎主席秘書官(杉本哲太)が退職する際のシーン。
瀬川「聞いたぞ。寺崎君。」
寺崎「はぁ・・・。」
瀬川「この時期に君をはずすことがどれだけマズいことか総理は解からんのか!?」
瀬川「断固抗議するよ!総理はいるか?」
寺崎「総理は経済戦略会議にご出席されています。」
瀬川「この大事な時に・・・。」
寺崎「総理は最後まで私をかばってくださいました。しかし、今、総理が守らなければならないのは私ではなくこの国です。」
瀬川「聞いたか、村尾?
村尾「・・・。」
瀬川「お前ってやつは・・・。」
この「お前ってやつは・・・。」の一言がたまらなくかっこいいのだが、明らかに内閣情報調査室長ではなくやくざの組長のような口ぶりだった。どちらかというとやくざや刑事等の事件の現場で熱い男を演じることの方が多い夏八木だけにちょっといつもの口調が出てしまったようす。

最近評価が急上昇中なのが佐藤慶。このヒト、いつから役者をやってるのか解からんが、「連合艦隊(1981年)」ですでに軍部の閣僚の1人を演じており、この頃すでに現在とさほど変わらん貫禄がある。なんとも不思議な俳優である。諸橋揆一郎総理大臣(古谷一行)と篠塚官房長官(佐藤慶)の確執まじりのやりとりはまさに本物の官房長官だ。こういう政治家は実際にうじゃうじゃいるハズ。
篠塚「誰が射殺命令を出したんだ!?これでは政治がもたん!!」
警察庁長官「現地の警備を指揮する福井県警の本部長です。」
諸橋「本部長!?」
**中略**
篠塚「すぐに撤回しろ。そのかわり予算はふんだんに付けてやる。大蔵大臣を呼んでくれ。」
寺崎「(諸橋に)よろしいのでしょうか?」
篠塚「予備費から大幅に出す。」
寺崎「予算を出せば済むという問題ではないのではないでしょうか?」
篠塚「貴様!秘書官の分際で官房長官のワシに説教する気か!?
諸橋「いい!!・・・大蔵大臣を呼んでくれ。」
寺崎「解かりました。」
怒ってます。燃え上がってます。
「宣戦布告」では佐藤慶のこのような熱演が光ります。
警察はもうバンザイしとるんだぞ!!
なんでそんなに簡単にやられるんだ!?この国を潰す気か!?
私と一緒に地獄に行っていただきたい。総理からの伝言です。」
この時期にあんなエタイの知れない男を総理のそばに置いておく訳にはいかん。
誰が宣戦布告したと言うんだ!?
等‥なんとも楽しませてくれる俳優です。

一方現場でも熱い男たちがたくさんいます。最初は警察が捜査、警備を担当している訳だが、警察の特殊部隊「SAT」の堤隊長を田中実が演じている。「バスマジックリン」や「温泉へ行こう!」等で生ぬるい役ばかりを演じている田中だが、この「宣戦布告」では燃えている。
(無線でのやりとり)
陣内SAT隊員「前方に移動物あり。」
堤、緊張が走る。
陣内のMP5の照準に北の兵士らしき移動物が捕らえられている。
県警本部長「こちら現本(げんぽん)。こちら現本。射殺許可命令解除!!一切撃ってはならん!!」
堤「どういうことですかっ!?
県警本部長(言葉につまりながら)「・・・命令だ!!」
陣内、引き金の指に力をいれようとする。
その瞬間、
堤「陣内!!」
陣内「え!?」照準から目を離す。
それと同時に北の兵士のRPGが炸裂。
陣内ふっ飛ぶ。
**中略**
堤、虫の息の陣内を抱きかかえ「陣内っ!!しっかりしろ陣内!!」
陣内「・・・隊長・・・オレ・・・まだ死ねないっす・・・」
堤「当たり前だ!!」
陣内、胸のポケットに手をやろうとする。
それを堤が手助けし中から妻と子供の写真を取り出す。
堤、その写真を陣内に見せながら「陣内!!陣内っ!!
陣内息を引き取る。

田中の本領発揮のシーンだ。
この後、現場本部で、
堤、怒りを抑えられない面持ちで県警本部長に「なんで射殺命令を解除したんだぁっ!?え!?解除したんだぁっ!?」
県警本部長、堤に迫られ「・・・。」
堤「指揮官が優柔不断じゃやってらんねーんだよっ!!
荒れ狂う堤。
もはや「バスマジックリン」や「温泉へ行こう!」の田中ではありません。彼は「出来る男」です。きっとこれからもヤッてくれます。
さらにその後投入される自衛隊の指揮官には「太陽にほえろ!」のロッキー刑事でお馴染みの木之元 亮。ちょっと自衛官っぽくないのをむりやりすごんで役作りした感はありますが、まぁ置いといて。
バルカン砲を要請する。」のセリフはかっこいいやね。むすっとした表情とこのセリフが実にいい。

現場でのアクションをやっているのは北東人民共和国、日本の警察、自衛隊共にJAC。最近あまり活躍の場がないJACだけに気合がみなぎっております。いかにも「JACらしいアクション」も健在です。日光江戸村に行かなくても見れる訳です。

「宣戦布告」は最近の日本映画の中ではずば抜けて面白いと思います。公開当時、CM等の宣伝もあまりされず、実際見に行っても客はまばらでとてもヒット作とは呼べない状況だったけど、確実に面白い映画でした。

国の為に働いて消えるか、それともあいつらと一緒に新聞に載りたいのかっ!?

●DVD●
¥5460− 東映
ブラックホーク・ダウン
★Beautiful beach beautiful sun...★

1993年ソマリアで起きた内戦にアメリカが介入した時の話。陸軍レンジャー部隊とデルタの2部隊が投入される。実際にあった事実を元につくられた映画である。2時間半の本編のうち、2時間近くが戦闘シーンという壮絶な作品だ。映画館で最初に見た時、恐らくジョシュ・ハートネットのファンであろう女子高生の2人組がすぐ前に座っていたのだが、始まる前はワイワイキャッキャと携帯をいじってみたり写真を撮ってみたりしていたのが始まった直後からおとなしくなり終わった時にはしばらく立ち上がれないくらいグッタリしていたのが印象に残っている。
我が中野自動車映画倶楽部では「軍事俳優」というカテゴリがあり、エヴァーズマン軍曹(ジョシュ・ハートネット)よりもフート軍曹(エリック・バナ)やサンダーソン軍曹(ウィリアム・フィシュナー)、マクナイト中佐(トム・サイズモア)のほうが圧倒的に人気が高い。「軍事俳優」とは軍人の役にぴったりはまり、かつ、実際に軍人の役ばかり演じている役者を言う。さらにその中でも「男気」を炸裂させていないといけないのだ。詳しい方ならもうお解かりだと思うが、マクナイト中佐を演じるトム・サイズモアがまさにそれだ。「プライベート・ライアン」でのマイク・ホーバス軍曹役でお馴染みだ。他にも「ヒート」、「パール・ハーバー」等にも出演している。私生活でも「男気」あふれるこの男、要チェックだ。
ピラ軍曹(激しい攻撃を受けて)「撃ってきます!やつら撃ってきます!」
マクナイト中佐(冷静に)「撃ち返せ。
建物の角から様子を覗うマクナイト中佐の顔のそばに敵の銃弾がパシッと当たってもその冷静さはかわらない。車輌隊が墜落したブラックホークに向かう途中、引き返せとの命令を受ける。
マクナイト中佐「信じられん。引き返すぞ。」
マドックス特技下士官「全員殺されますよ!!」
マクナイト中佐「仕方ない。行け。
仕方ないって・・・マクナイトさん・・・。あんたスゴすぎます。

乗せて欲しいかね?では負傷者を連れてこい。

フート”ウォー・ジャンキー”軍曹はデルタフォースの所属だ。冒頭のワット誘拐作戦では民間人を装い街に潜入し、情報を送っていた。砂漠でウォルコットの操縦するブラックホークに拾ってもらい、そのヘリから地面を走るイノシシを撃って基地の夕食にする。丸焼きのイノシシが串刺しでクルクル焼かれているところに皿を持った兵士たちが列を作っている。脇から列を無視して割り込んでくるフート軍曹を見ていたスティール大尉とのやりとり。
スティール大尉「何のマネだ?」
フート軍曹「軍事演習の獲物にありつこうかと。」
スティール大尉「それのことだ。」(フート軍曹が肩からかけているM4のセーフティレバーを指差す)
フート軍曹、自分のM4を見る。
スティール大尉「基地ではセーフティをかけておけ。デルタではよくてもここではだめだ。」
フート軍曹(見下すように)「これがセーフティです。」(人差し指をクイっと曲げて見せてその場を去る。)
まさに一匹狼的。冷静に直属ではないにせよ上官をなめ腐ったような態度がステキです。まさにウォー・ジャンキー(本編では「戦争中毒」と訳されている)だ。しかし、意外と面倒見が良いところもあるようでエヴァーズマンには要所要所で助言をする。エヴァーズマンも徐々に厚い信頼を寄せていく。ちなみにエリック・バナは「ハルク」では主演でハルクに変身するブルース役だ。

新しい1週間が始まる。今日は月曜日だ。

●DVD●
通常版 ¥3990− コレクターズ・ボックス ¥8190−
アポロ13
●Houston ! We have a problem !! ●

アポロ11号の月面着陸成功で歓喜に満ち溢れたアメリカNASA。アポロ計画はさらに進み13号に乗り込むことになったジム・ラベル(トム・ハンクス)、フレッド・ヘイス(ビル・パクストン)、ジャック・スワイガート(ケビン・ベーコン)。酸素タンクの故障から宇宙空間で窮地に追い込まれる、実話をもとに作られた映画。11号の初着陸成功から最後の16号まで、唯一月に着陸できなかった13号が奇跡の生還を遂げる。まぁ、上記の3人は言うまでもないが、この映画、何がすばらしいってNASAの管制官たちの名脇役ぶり。その筆頭がジーン・クランツ(エド・ハリス)。私はこのエド・ハリスという役者が大好きな訳だがそれを考えなくてもすばらしい演技だ。13号が無事に戻ってきた時の涙を拭うしぐさ等は「なぜ助演男優賞じゃないんだ!?」と思う。

オレのミッションで飛行士は死なせない!!

当初、ジムらとチームを組んでいて乗りこめなくなったケン・マッティングリー(ゲイリー・シニーズ)もなかなか良い。彼には強力な武器がある。力強い”目”だ。彼の他の作品ではあの”目”でモノを言う感じのシーンが多々見られるが、この作品ではあまりそういうシーンはない。”目”以外の彼の実力が見れる。

妻マリリン・ラベル(キャサリン・クライン)がやたら「13」にこだわるが、ジムはまったく気にしていない様子。

マリリン「どうして13号なのかしら・・・。」
ジム「12号の次だからさ。」

縁起を担ぐのはこのマリリンと記者ぐらいであとのヒトたちはまったく気にしていない。

この映画で意外と語られていないのだが、飛び立つ前にジムが乗っていたコルベット、発射の時に遠くから眺めているケンのコルベット、2台のコルベットが登場している。このコルベットが実にすばらしいコンディションだ。いわゆる「アイアンバンパー」というタイプでメッキのモールが随所に付いているのだが、そのメッキの状態やボディの塗装の状態、ケンがドアを閉めた時の音や動きから、とにかく極上だということがよく解かる。日本にも旧車マニアはたくさんいるが、向こうのマニアはレベルが違う。お金のかけ方もハンパではない。そういうマニアのクルマが映画にはしばしば登場する。こんなところも見逃さないで観ていただきたい。

アポロ13、交信終了
●DVD●
コレクターズ・エディション ¥2625−
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