どっぷり浸かった塗装カスタムの奥深さ。次の素材銃を探すのと、塗料の補充を兼ねてケイ・ホビーに行くBoss。補充するべき塗料をひととおり買い込んでガンコーナーへ。店長くん、牛くん岩ちゃんと3人が勢ぞろいしていた。平日の真昼間にもかかわらず、店内はそこそこにぎわっており、挨拶もまばらに雑談をしながらもそれぞれ仕事をこなしている。ひと段落ついた店長くんがBossに言う。
店長くん「Bossさん向けのブツは何かあったかなぁ・・・」
ぼ「べつにムリに探さなくていいよ。今回の素材はマルイのコッキングにしようと思ってるから。」
店長くん「そうっすか?でも・・・何かなかったかなぁ・・・」
ぼ「笑。だからムリに探さなくていいてば。」
コッキングガンを飾ってあるガラスケースを覗き込みながらのやりとり。Bossは自分の在庫している塗料と合う銃を物色していた。周りを見回し、何とか面白い「ネタ銃」を探し回る店長くん。ふと、思い出したように普段、あまり目の向かない棚の上にある何かを引っ張り出し始める。
店長くん「Bossさん!!コレ!!どうっすか!?」
ぼ「えっ!?」
大きめの古びた箱を手に笑顔の店長くん。
店長くん「KHCのベレッタM12Sのコッキング。なかなか面白いっすよ。」
ぼ「呆笑。また、楽しそうな逸品だなぁ。」
店長くん「古いっすけどKHCに修理に出したらちゃんと治って帰って来たんすよ!!」
ぼ「へぇ〜!スゲーなぁ。」
店長くん「撃ってみてくださいよ。」
ぼ「解かった。」
独特の風貌とコッキングのガシャッパイィ〜ン!!というプラとバネの古臭い作動音。そして何よりもその給弾方法がスゴい。約100発ものBB弾をマガジン底部から流し込み、スプリングを引いて逆さまにして振る。すると縮められたスプリングのプッシュロッドの前方にジャラジャラと弾が並んで入っていく。ここには22発が並ぶそうだ。撃ち終るとふたたびスプリングを縮め、同じ動作を行うとまたフルで22発が装填される。ある意味画期的な給弾方法である。コッキングガンでありながら約100発もの弾をばら撒けるのである。コッキングの動作も実銃とは違ったアレンジが施され、フォアグリップそのものを引いてコッキングする。おかげでとても動作がしやすくバリバリ撃てる。なかなかすばらしい性能を秘めたエアガンである。取扱説明書もちゃんと残っており、そのしくみや動作の確認もちゃんとできる。とくに大きなキズも無く、部屋撃ちか飾り用になっていたのだろう。中古品ということで定価の半額での購入だ。
さて、今回のネタ、M12Sはベレッタの銃だが箱や説明書等どこを見てもベレッタとは書いていない。当然本体にも刻印されていない。まぁ、社名を入れるには何かとお金がかかるのだろうからその辺はあまり気にしないようにする。で、今回は塗装カスタムではありません。性能アップのカスタムになります。というのも、塗装カスタムは現在進行中のガンがあるし、このM12Sはハンドガンと違って大きい分、使用する塗料の量もハンパではありません。本体の数倍もの塗料代を使ってまで仕上げる気にもなれませんし、磨きや塗りの作業も時間がかかります。とりあえず毎月恒例のインドア戦で使える仕様にするのが今回のカスタムの目的です。このM12SにはHOPは付いていません。そこでHOP付きにして飛距離を伸ばし、「戦える銃」にします。せっかくバシバシ連射ができるのに数m先で落ちてしまう弾道ではただばら撒いているだけで敵を威圧することはできません。したがってしっかり飛距離を出すことがこのカスタムのメインの課題となります。まずはいつものように完全分解から始めます。フレームは左右張り合わせのモナカ構造。いくつものねじを外し、左右をガバッ!!と分けます。巨大なシリンダーとピストンがトリガー上部に鎮座しています。電動ガンとほぼ同じくらいの大きさです。そしてグリップ、フォアグリップ内には単2乾電池くらいのサイズの錘がどっしり収まっています。重量アップの必需品ですね。
インナーバレルを見てびっくり。なんとプラ製!!今時、韓国や台湾製のエアガンでも金属製バレルなのに・・・。しかも先端を覗くと、バレル外径に対して弾が出る穴がセンターに位置しておらず、左下方向にズレて開いています。凄まじい精度です。さらに右図の一番上の絵のようなカタチになっているのですが、後部のチャンバーブロック部にバレルが差し込まれ、接着剤で固定されている状態。どうやっても引き抜くことができません。そこで図のような加工方法にすることにしました。まずはバレルを切断し、チャンバーブロック部に張り付いているバレルの残り(図のオレンジ色部分)をボール盤で削り取ります。新たに使用するバレルは以前M1カービンのカスタム時に交換した純正バレルを短縮して使います。必要なサイズに切断したバレルの切断面をキレイに慣らし、アルミのパイプを被せます。マルシン製インナーバレルは外径8mmで、アルミパイプは内径8mm。キツキツなので少しパイプの内面を削り、挿入します。バレル先端部はアウターバレル内でギュゥッとハマるような固定方法の為、純正プラ製バレルと同じ外径サイズでなければなりません。また、チャンバーブロックに挿入する部分も同様な固定方法の為、やはり10mmでなくてはなりません。で、中間には何も保持するものが無い為、これだけの加工で付いてしまいます。空っぽになったチャンバーブロックにバレル後端のアルミパイプを被せた部分を挿し込みます。これでバレルは基本的に完成です。
アルミパイプとインナーバレルの間にはHOPパッキンを取り付けてあります。順序が逆になってしまいましたが、その部分の解説です。アルミパイプとインナーバレルをしっかり差し込んで、位置決めをしたら、HOPパッキンを取り付ける為の穴を開けます。今回は使用するインナーバレルがマルシン製の為、HOPパッキンもマルシン製のものを使用します。位置決めをしたところに4mmの穴を開けます。その後アルミパイプを抜き取り、インナーバレルに開いた穴を5mmに広げます。バレル、パイプともにバリを取り、パッキンを痛めないよう角を落とし、切り口を滑らかにします。さらにインナーバレルのHOPパッキンが乗る部分には一段低くなるよう削り込みを行います(図の一番上の絵の四角く囲ってある部分)。バレルとパッキンがツライチになるくらいに削り込んだら、パッキンを歪ませないように少しづつパイプを挿入していきます。しっかりハマるとパッキンはパイプで周囲を固定され、適度な突き出し量のHOPパッキンとして機能します。さらにこの穴の位置にチャンバーブロックにも4mmの穴を開けておきます。そしてチャンバーブロックにバレルを挿入し、穴の位置を合わせると、パッキンまで貫通した4mmの穴になります。ここに5XM0.9のタップでねじ山を切ります。同サイズのねじの先端を尖った山状に削って、短くカットしたねじを入れていきます。頭にはマイナスドライバーで調整できるよう切り込みを入れてあります。これで可変HOPになる訳です。
最後にフレーム左右、コッキングスライドのアームのHOP調整ねじの真上になる部分に穴を開け、分解しないでも調整できるようにします。この穴には最後、組み上げた時にカバーが付くので普段は完全に隠れています。調整したい時だけカバーをはずし、調整することになります。したがって、普段はまったく外見を崩すことはないのです。ここが今回のポイント。小さい穴が開いていて、そこに6角レンチを差し込んで調整する方法と基本的には変わりませんが、その穴が露出しているのと隠れるのとでは大きく雰囲気が違ってきます。小さなことですが、こういうこだわりが大事だったりします。さて、加工はこれで終了。本体を組み上げます。すべての内部パーツをフレーム左側に乗せて、一気に右側フレームを被せます。バチンッ!!とハマり、何本ものねじを止めていきます。外側に取り付けるパーツをすべて取り付けて完成。何事もなかったかのようにもとの状態に戻りました。
組みあがったM12Sのマズルからは真鍮製のバレルが見えます。格段に精度が上がったハズです。早速試射。コッキングもなんら問題無くできます。サイトで狙い、トリガーを引くと、バイィ〜ンッ!!と情けない発射音とともに、弾は発射されます。弾道は・・・大ホームラン。HOPを弱くして再び挑戦。まだ大ホームラン。何度か調整していくうちにセンター前ヒットくらいになりました。これなら狙って戦えるレベルです。出来上がりました。飛距離も20mは軽く越えるくらいの長距離。弾道も少し浮き上がる感じはありますが、ターゲットの少し下を狙うことでバシバシ当たります。これでインドア戦でも充分に通用する「バカ銃」になりました。これからのインドア戦ではきっと大活躍してくれることでしょう。
しかし、標準のプラ製バレル・・・強烈ですね。古いエアガンではありますが、これにはさすがに驚きました。KHCさん、なかなか楽しませてくれます。 (2006.07.14)
ちょっと時間があったので塗ってみました。ブラック・パーカー仕上げです。グリップ、フォアグリップだけはもともとのまま無塗装です。ツヤツヤのテカテカだったM12Sが落ち着いた艶消し黒になりました。表面積の大きい銃の塗装はムラが出やすく難しいのですが、幸い、この銃は全体的に丸い筒状のカタチをしており、平面に比べると随分楽な作業です。軽くこなした作業だけに今回は下地の処理はとくにしていません。プライマーを塗ってその上にダイレクトにブラック・パーカーを吹いています。とは言っても完全分解はした上での塗装です。まぁ、コッキングガンだけに簡単にバラせますから。気が向いたらいずれはもう少ししっかり仕上げてやろうと思っています。
グリップとフォアグリップだけがやたらテカテカしてますね。実銃の写真でもあれば完成図が頭の中で出来上がるのですが、この銃は資料が少ないのでまだ実銃の画像を見たことがありません。「こんな感じなんだろう」で塗っていますので、「違うべ?」という声も聞こえてきそうです。
フレーム、グリップ周辺のアップ画像です。セーフティレバーの位置を表示している”S”と”F”にはそれぞれ白と赤をエナメル塗料で入れてあります。正直、あとは特別なことは何1つしてません。このエアガンは実際に撃って楽しむ為に仕入れたものですから、あまり細かいディテールにこだわらずに、惜しみなくガンガン撃って遊べるくらいのカスタムにしておきたいのです。単純な構造だけに壊れにくそうですから、やはりそういうガンは積極的に持ち出して遊ばなければなりません。そのうち試射レポートなんていうのもやってみても良いかもしれませんね。
あと、スリング(銃を肩にかけるベルト)も欲しいところですね。こういうサブマシンガン系の銃にはスリングがないと現実味がありません。おそらくMP5系のものが流用できそうな気配なので、いろいろ選べそうです。 (2006.07.20)
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