なぜ、M19だけが絶販なのか・・・?東京マルイ社製ガスリボルバーシリーズはリボルバーでありながら24発もの装弾数を誇るガスガンである。発売当初はコルト パイソン 4インチ、6インチが登場し、続いてS&W M19 4インチ、6インチが登場した。さらにその後、東京マルイ社製品に付属する製品カタログには「次期開発予定」として”コルト キングコブラ”と写真入りで掲載されていた。しかしながらこの”キングコブラ”は次の製品カタログには掲載されず、結局発売されることは無かった。月日は流れ、タナカ社のペガサスシステムが市場に受け入れられるにしたがって東京マルイ社の24発ガスリボルバーは人気が衰退していった。強力なパワーとリアルな造りで圧倒的な商品展開を進めるタナカ社、一方、東京マルイ社にしては珍しく不安定な作動、複雑な構造ゆえの貧弱なパワー等「らしくない」という悪評が世間を駆け抜けた。そんな中でも社外パーツは意外にも豊富に発売され、とくにパイソンに至ってはさまざまなメーカーからインナーバレルやガス放出バルブをはじめ、さまざまな強化パーツが登場した。中でも24発の装弾数を殺してしまってカートリッジ式に変えてしまうというシリーズの根本を変えてしまうパーツまで登場した。複雑な構造を取り払い、単純に、ダイレクトにガス圧が弾に導かれるこのカートリッジは交換するだけで見違えるような安定した弾道が得られる。
さて、その「24発ガスリボルバーシリーズ」のパイソンが先頃マイナーチェンジをして再登場した。HOPパッキンの変更や弾道の安定性向上等が図られ、評判も良い。しかし、なぜパイソンだけなのか?M19は随分前からカタログには掲載されているものの、実際には生産はされていないらしく、店頭では久しく見かけない。パイソンだけが生産され続けているのだ。M19は「ルパン3世」で次元が使用していることで有名な銃である。そんなM19がなぜ生産されないのか・・・。「無い」となると欲しくなるものである。パイソンと同様の.357マグナム弾を使用するリボルバーでありながら、実にスマートなバレルがスラリと伸び、程よいバランス感が心地よい見栄えのM19。その細身のバレルがいけないのか?迫力という意味では確かにパイソンのデザインの方が完全に勝っている。しかし、M19の良さはどこか他にあるはずだ。それを確かめたくて今回の入手となった。探し始めたのは2006年春頃。リボルバーの魅力に取り付かれて間もない頃だった。モデルガンやタナカ社製のM19はちょっと探せばすぐ見つかる。しかし東京マルイ社製のM19はどこのショップでもネットのオークションでも滅多にお目にかかれない。
そんな事情を何気ない会話の中でなんとなく呟いた私。その会話の内容をしっかりと覚えていた「か」氏によって発見されたのが今回の入手の経緯だ。某大型リサイクルショップチェーンに新品同様の状態で売っているという連絡をもらい、現物確認もせずに購入の意思を伝えたのだ。届いたM19はまさに探し求めていた「6インチ」のM19。「か」の言葉通り新品のような極上レベルの中古品だ。表面の塗装はブラックではなくメタリックがかった濃いグレーのような色合いで、キズもほとんど無い。前回紹介したM29と非常に酷似したデザインだが全体にひと回り縮小したような感じだ。どノーマルな状態だがガスを入れてみると結構な圧がバレルから吹き出てくる。早速撃ってみる。しかし、その圧が活かされていないのか飛んで行く弾は実に頼りなく放物線を描いている。HOPの効果はまったく見られない。しかも時々弾が発射されないこともある。かなり不安定な作動だ。やはり売れない原因はこの辺にあるのだろうか・・・。生産されていない理由がなんとなく理解できた瞬間だった。
後日、当然のごとくカートリッジ式に変更した。それまでの不安定な作動が嘘のように安定した弾道に変わった。24発の不安定な射撃と6発の安定した射撃、言うまでも無く誰もが6発の安定した射撃を選ぶだろう。また、カートリッジの装填というリボルバーならではの動作も楽しめる。金属製のリアルなカートリッジはスルリとシリンダーに収まっていく。まるでモデルガンをいじっているようなリアルな手ごたえがたまらない。今回選んだカートリッジはマルベリー・フィールド製のカートリッジだ。弾頭部は銅色、薬莢部は金色に輝く美しいカートリッジはそれだけでも抜群の雰囲気を醸し出す。このカートリッジ式に変更したカスタムだけで飛距離は伸び、すべての弾が安定して同じところへ飛ぶようになる。見た目や動作もすばらしいが、性能まで飛躍的に向上するすばらしいアイテムである。「か」が所有する同社製パイソンもこのカートリッジ式に変更されており、彼自身も大変気に入っている。
さらにアングス製インナーバレル、KM企画製パワーバルブも組み込んだ。これでさらに安定した弾道が得られた。飛距離もさらに伸びた。戦える銃になった。ここまでカスタムしたのだからということでこれまで掲載してきた上の数枚の画像の通り、ガンスタンドを作ってみた。いつものように材料を買ってきて切って削ってくっつけての簡単で激安なガンスタンドだ。土台に使ったのは表札用に売られている木の板。本来は名前を書いて玄関に吊るして使うものだが、ご覧の通り、立派に土台になる。それもとても良いサイズである。立ち上がっているホルダー部の板は木工用木材を切り出し、上部をバレルの形状に合わせて削り込んだ。木工用ボンドと木ねじで固定し、強度は充分確保できてはいるが、取り付け部の前後には補強として飾り木を当てている。そして中央にはネームプレートを配し、パソコンで作ったロゴをプリントアウトして切り取り、貼り付けてある。最後にウォールナット風に仕上がる水性ニスを塗って完成。材料代はおよそ1000円ちょっとだ。実に経済的でかっこいいスタンドが出来上がった。M19が一層かっこ良く見えてくる。
最近の私のカスタムの流れとしては(1)標準的な性能に満たないガンは平均的なレベルまでは向上させる。(2)外装をリアルに仕上げる(3)保管時にもかっこ良く見せる為に専用スタンドを造る、という3つの工程を行う。実際に遊べなくてはただの飾りにしかならないし、どうせ遊ぶならリアルなモノを手にしたい。そして使わない時でもその銃のかっこ良さが引き立つようなディスプレイに飾っておきたい、という願望からこのような流れを確立している。カスタムやスタンド製作はほぼすべて工房(職場)で行い、1部のガンを除いて保管は自宅にしている。自営業という職業柄、職場の使用方法に制限を受けないのだ。我ながらとても贅沢なことをしていると思う。しかし、そうしたカスタムや製作にお金は極力かけない。あるモノでなんとかするのが大前提だ。どうしても無いモノをつかわなければならない時だけ可能な限り安く済む材料を購入(または入手)し、加工する。趣味とはお金をかければ良いというものではない。あるモノでなんとかなるのであればそれが一番安上がりで「作る楽しみ」も増えるというものだ。
現在はなかなか入手困難な状況にある東京マルイ社製M19。もし欲しくなってもそう簡単に手にすることはできないことを覚悟していただきたい。パイソンの方が好きという方ならば安心だ。大量に流通しており、ガンショップのみならず、ディスカウント店やおもちゃ屋さんでも簡単に手に入る。噂では現在、開発、製作中の製品が発売されればM19もマイナーチェンジを施して新発売されるだろうという。それが何年先になるか、はたまた噂で終わってしまうのかは解からないが、高性能になって再び我々の前に戻ってきてくれることを東京マルイには切に願いたい。そしてさらなるバリエーションも展開して欲しい。その力があるメーカーは後にも先にも東京マルイだけなのだから。そんなことを大いに期待させてくれるM19だ。また手放せない1挺が増えてしまった・・・。
(2006.10.26)
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