イギリスでは早くからドイツとの戦争に突入し、制空権を死守すべく頻繁に戦闘機、爆撃機等による空中戦が行われてきました。ドイツ軍は早くからフォッケウルフやメッサーシュミットといった高性能な機体を導入し、その高い飛行性能で進撃を続けます。それらのドイツ軍に対抗できる戦闘機として期待されたのがこのスピットファイアでした。事実、性能的にはドイツ軍の戦闘機の快進撃を阻み、対等以上の戦果を上げていきました。とくに最高速度はズバ抜けており、採用当初から搭乗員たちに歓迎されたのでした。そんなスピットファイアは大戦集結時まであらゆるバリエーションのタイプが開発され続け、第2次大戦中ほぼ全次期に活躍しています。それだけ基本性能が優れていたということでしょう。そして数々のエースパイロットを誕生させていきました。
楕円形状の大きな主翼はとても優雅で英国人の性格がよく出ております。そして機体は後部へ行く程細く絞られ薄っぺらい機体になっています。他国ではなかなか見られないような美しいシルエットはまさに羽を広げた鳥のようです。大戦後半に登場した今回のモデルMk.IXは武装を強化し、エンジンの性能も向上した強化タイプと言える機体です。日本人の零戦に対するイメージと同じように、スピットファイアに対する英国人のイメージはまさに名機なのです。本国の防衛戦でも大活躍し、それを目の当たりにした英国人に強烈なイメージを与えたのでした。そんなスピットファイアを今回は取り上げてみました。キットはその母国である英国のメーカー、エアフィックス社製1/72スケールキット。海外メーカー独特の世界が堪能できるキットです。
まず、箱を開けて驚くのはそのモールドの細かさ。凹モールドはもちろん、全身に打たれたリベットが凸モールドでしっかり再現されています。そのリアルさは1/48スケールにも匹敵するほどのクオリティです。組み立てに関しては主翼の付け根部分に隙間ができ、いまいち合いがよくありませんが、そこさえ克服すれば1/72スケールではおそらく最高傑作のスピットファイアが出来上がることでしょう。その隙間の処理は通常はパテで埋めて削り、表面を整えるという工作を行いますが、それではせっかくリアルに再現されたリベットやモールドが消えてしまいます。そこで瞬間接着剤を隙間に流し込み、乾燥、足りない部分にまた流し込んでまた乾燥を繰り返し、最後に精密ヤスリの丸棒状のもので他の表面を極力削らないように仕上げてあります。塗装は茶色系(ウッドブラウン)とダークグリーンの2色とし、いつものように自作の紙製テンプレートで塗り分けてあります。
突き出している主翼の機銃はなかなかの迫力です。こちらも先端はピンバイスで穴を開けて銃口を再現しました。内側の長い機銃の先端はかなり細いので慎重にやらないと失敗しそうです。機首部はエンジンが収まっている部分の上面は平らで、その後方から丸みを帯びてきます。このラインもスピットファイア独特のものです。V型12気筒エンジンがおそらくギリギリ収まる程度の幅です。プロペラはエンジンの出力アップによってかなり長めの4枚羽となっています。最高速度657km/hを誇る当時最速レベルの性能でした。ちょこっとだけ見えていますが、このキットには操縦士の人形が付属しています。丁寧に塗装してコクピットに座らせてあります。キャノピーのクリアパーツはそれほどキレイに磨かれているようなものではありませんが、中の人形とキャノピーの透明部分が接近しているので意外とよく見えます。
さて、このエアフィックス製スピットファイア。日本国内で入手するのはなかなか難しい製品ですが、置き場所を極力取らない1/72スケールですから、見つけた際にはゼヒ購入をおすすめします。とても作りやすく、それでいてリアルなスピットファイアが出来上がります。1/72スケールの良いところは小さいので完成後、置く場所を取らないというところ。とても良いことだと思います。
(2008.09.28)
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